『億男』を読んでみた。〈後編〉
こんにちは!
また他の本を買って読んでいるところです、ヒロです。
前回に引き続き、今回も
川村元気さんの「億男」について書いていきたいと思います。
前編を読んでいないと言う方で、気になると言う方は是非読んでみてください。
後編だけでも楽しんでいただけるように善処します…笑
前回はあらすじを書かせていただいたのですが、意外と反響がよく、何だか嬉しかったのですが、
よくよく考えたらあらすじって僕の手柄じゃないですよね…笑
気を取り直して今日は僕の感想を書いていきたいなと思います。
①数字が多い。
これは多分意図してのことなんでしょうね。
お金の話だから1.10.100.1000.10000と数が名前にみな付きます。
娘の「まどか」も「円」をまどかと読むし、
きっとそこから来てるんじゃないかなと思います。
主人公、一男
主人公の親友で、この物語のキーマン九十九(つくも)
九十九の会社経営者仲間
十和子、百瀬、千住
一男の妻、万佐子
そして一男と九十九を足すと百でパーフェクトになる。と本文にありました。
とことん漢数字
でもだからこそ、読みやすかった。
②やっぱり猫が登場。
『世界から猫が消えたなら』の主人公となんだか重なりました。
あの主人公も孤独で病と闘いながら猫と二人暮らし。
一男もマークザッカーバーグと名付けられた猫と二人暮らし。
③海外旅行シーン
これもまた前述した前の作品と重なるのですが、海外旅行のシーンで人生の転機が訪れます。
ネタバレになっちゃったらごめんなさい。
『世界から猫が消えたなら』では
旅行先で出会った友人が亡くなってしまったことをきっかけに彼女と気まずくなり、その後結局破局してしまうと言うシーンがありましたが、
今作では
九十九と2人で出かけた旅行先で
九十九は「金と幸せの問題について考えたいから」と親友に一時的な別れを告げます。
なんだか、重なるような重ならないような…
④ふと垣間見える人間のコアな部分
前回の最後にも書かせていただいたのですが、この物語の話の特徴上、最初から最後までお金の話をしているのですが、
ふと人間の感情が揺れ動かされるようなシーンが、ところどころに散りばめられていました。
時に不条理に感じることや心が暑くなるようなことなど
僕たち人間に共通して生来持っているような、でも人は当たり前すぎて分かっていないようなコアな部分を刺激されました。
全体として
時間軸が常に平行ではないのですが
回想シーンと現在のシーンが密接に絡み合っていて混乱することもなくとても読みやすかったです。
なんとなく映像化されているイメージも湧き、映画化が楽しみになりました。
お金があることが幸せなのか?
そんな当たり前の問題に直面しました。
もちろん僕自身、キレイゴトぬきで答えたら
お金はもちろん必要だし、あれば嬉しい
とは思いますが、
必ずしも幸せには繋がらないのだと思います。
お金持ちの中にも不幸な人は沢山います。
どんなに頑張って稼いでも、使い道がない人。
お金があるからこそ、人との信頼関係を築きにくい人。
多くの人を見てきました。
お金はあくまで、一つの要素にしかすぎないのではないかなと思います。
「最大の資源は、人である」なんて言葉もあるように、
「人間」は人と人とが作り上げていく社会で生きていかなくてはならないのです。
そんなことを再認識させてくれるような小説でした。
読んで見てはいかがでしょうか?